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Category Archives: その他

永住権保持者が国境を越える際の法的権利について

トランプ政権による移民法への影響について* トランプ大統領が国境での取り締まりを一層厳しくするよう、税関国境警備局(CBP)に命じました。そして、CBPの職員により、電子機器やSNSのアカウント等を捜索される事件も増加しています。本記事では永住権保持者に対して国境を越える際、どんな法的権利を持っているかについて紹介します。   Q: 空港で足止めされた場合、永住権保持者にどんな法的権利があるかについて教えてください。 A: 国外退去処分となる場合、外国からの訪問者と異なり、永住権保持者には通常、移民裁判官による審理を受ける権利があります。そして、永住権保持者がアメリカ国外に長期滞在した場合、CBPの職員が永住権を破棄させるような書類に署名させることがありますが、当書類への署名を拒否してもマイナスの結果をもたらさないはずです。もしCBPが捜索した結果、相手が永住権を放棄したと見なされた場合でも、アメリカへの入国が許され、アメリカ国内で審理を待つことができます。   Q: 持ち込む電子機器の中身を調べられることを拒否した場合、どうなりますか? A: 通常、アメリカ国内にいる場合、米憲法の下で犯罪に関与した疑いなど正当な理由なしに捜索や押収を行うことが禁じれらています。しかし、国境ではこの権利が適用されません。国境では正当な理由や不信を抱かせる合理的な理由がなくても、アメリカ人も永住権保持者も捜索を受ける可能性があります。空港でスマートフォンやSNSのアカウントの内容等のCBPによる捜索が増加しています。もしその捜索を拒否した場合、CBPは次の対策のいずれかを取ることができます。 同意するまで相手を拘束すること 司法妨害罪の疑いで逮捕すること 当電子機器を押収すること 従って、このような事態に直面しないように、普段使うスマートフォンやパソコンは持参せず、もし重要な情報・書類がある場合、サーバーに保存した方が良いでしょう。   Q: 空港で二次検査に送られた場合、弁護士との面会を要求できますか? A: 一般的に永住権保持者には二次検査を受ける場合、弁護士との立ち会いを求める権利がありません。また、アメリカへの入国を求めている親戚等が二次検査で拘束されているかとの疑いがある場合、ホノルル空港のCBPオフイスは、特定の人物を拘束しているかどうかについても開示しません。   ただし刑事事件で立件され、拘束されている場合、弁護士を呼ぶ権利があります。その場合、CBPから移民税関捜査局(ICE)へ身柄を引き渡された時点で、弁護士を呼ぶ権利を取得します。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

トランプ政権による移民法への影響について*

トランプ政権による移民法への影響について* 大統領選挙キャンペーン中、トランプ次期大統領が極めて閉鎖的移民政策を提唱していました。大統領選挙が終わった後、トランプ政権で移民法がどのように変更されるかと懸念している方が多いと思います。今月のコラムでは、トランプ氏が提案した移民政策と今後の展開について詳しく説明致します。 Q: トランプ氏が具体的にどのような移民政策を提案しましたか? A: 「アメリカ・ファースト」というキャッチフレーズの下で、トランプ氏は不法移民の抑制と米国人労働者の雇用を優先する移民制度の改正に焦点を当てました。トランプ氏のウェブサイトに掲載された移民政策に関する10のポイントを下記におさらいします。 1. メキシコ費用負担でメキシコとの国境に壁を築く 2. 逮捕および釈放を止め、国境を越える不法移民は送還されるまで拘留する 3. 罪を犯した外国人を、国、州、地方の法を駆使して国外に追放する 4. 不法移民を保護するサンクチュアリ・シティ(聖域都市)を廃止する 5. 児童到着の遅延行動(DACA)と呼ぶオバマ大統領の大統領命令は即刻効力を停止し、国境警備隊の人員を3倍にする 6. 適切な審査が保証されない国では、ビザ発給を一時的に停止する 7. 送還国に対し、強制送還される自国民の再受入を確約させる 8. 生態認証付の出入国管理を、全ての検問所、空海港に実装させる 9. 不法移民の就職機会をなくす 10. 移民流入を抑制し、アメリカ人の利益にあったものとするように移民制度を改正する Q: トランプ大統領が移民に関する公約を遂行することは可能でしょうか? A: まず、アメリカの移民法は下記の典拠でできていることを理解し、それぞれに分けて見た方が良いでしょう。 移民法の根拠が定められる移民国籍法(INA) 米国国土安全保障省と司法省により、発行されるINAを運用する法令 連邦裁判所や不服審査委員会による先例となる判決 大統領が議会の承認を要せずに発令できる大統領命令 さらなる説明を要する法的問題に取り組む、移民局から発行される通達 その中でオバマ大統領が実施したDACAプログラム等の大統領命令をトランプ氏が就任してからすぐに停止できるものがあります。一方、連邦法であるINAを改正するには議会の承認が必要であり、少なくとも数年かかるでしょう。最後に、トランプ氏が新しい移民局(USCIS)のディレクターを任命、そのディレクターはグリーンカードやビザの審査基準を強化する新規の通達等を発行できる権力を持ちます。 Q: トランプ氏の公約の中で在米日本人にすぐに影響をもたらすことはありますか? A: トランプ氏がメキシコからの不法移民やイスラム諸国からの難民の抑制を主張しましたが、彼の政権の下で移民法の執行を全般的に強化するでしょう。すなわち、今後、ビザやグリーンカード申請の審査を強化し、H-1Bビザの現場検査を増加し、オーバーステイした外国人に対する強制送還を強化すること等の厳しい措置を取ると考えられます。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

永住権申請者が緊急時に渡航する際の渡航許可について*

永住権申請者が緊急時に渡航する際の渡航許可について* 永住権申請者は永住権申請中に一度アメリカを出国するとグリーンカード申請を放棄したと自動的に見なされる可能性が高くなります。そのため、万一の場合に備え、永住権を申請する際、アドバンス・パロールという渡航許可も申請して必ずアメリカを出国する前にその許可を得なければなりません。通常、アドバンス・パロールを申請してから承認されるまで、約3カ月弱かかります。しかし、家族の方が急に亡くなったとか、危篤に陥った場合、3カ月待てられないこともあるでしょう。今回は、緊急時に対応するために緊急アドバンス・パロール申請について詳しく説明致します。 Q: 緊急アドバンス・パロールを申請する場合、どんな書類が必要なのでしょうか? A: 以下は緊急アドバンス・パロールの申請書類です。 記入済みのフォームI-131 フォームI-131の申請費用 死亡証明書や担当医師からのサイン入りの病状等の緊急事態を説明する書類 現在の米国内でのステータスを証明する書類 永住権申請の受取書 パスポート用の顔写真(同一のもの2枚) なお、緊急アドバンス・パロール申請は移民局の裁量により、本当に緊急事態であるかどうかと判断されます。回避できる緊急事態、もしくは申請者の遅延により発生した緊急事態と見なされるとその申請は拒否されます。 Q: どのように申請したらよいでしょうか? A: 通常のアドバンス・パロール申請と違って、緊急時に申請する場合、メインランドにあるサービス・センターではなく、直接最寄りのUSCISオフィスで申請します。先ず、移民局のWebsiteよりInfoPassの予約を取り、予約通知のプリントアウトを持参し、予約時間にローカルオフィスでフォームI-131とその補足書類を提出します。承認されても実際の渡航許可証が発行されるまで数時間かかりますので、可能な限り、最も早い予約を取りましょう。そしてInfoPassの予約がすぐに取れない場合、予約がなてくもローカルオフィスが申請を受け取ってくれる可能性もあります。 Q: 緊急アドバンス・パロールを申請する際、何か注意点がありますか? A: 再入国する際には、検査を受けなければなりません。アドバンス・パロールがあっても入国拒否される可能性があります。例えば、アメリカに180日以上不法滞在した場合、アメリカを出国してから数年間、再度アメリカに入国することが出来なくなります。永住権申請中にアドバンス・パロールを元に入国することにより、滞在許可日数を180日以上超えてもその期間が不法滞在と見なされないという最近の判例がありますが、現場の判断までは保証できませんのでご注意下さい。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

不法行為による、アメリカ市民権申請への影響について*

不法行為による、アメリカ市民権申請への影響について* アメリカ市民権を取得するには一般的に帰化の申請に先立つ5年間、善良な居住者であったと証明する必要があります。善良な居住者であったと判断するにはまず、移民局が移民法に列挙された様々な犯罪歴がないかを考慮します。もし一定期間中にこれらに挙げられた犯罪で有罪判決を受けた場合、善良な居住者である要件の認定を妨げることになります。その上、移民法に列挙されていない「不法行為」(“Unlawful Acts”)を起こした場合でも、審査官の裁量により、申請者が善良な居住者である要件を満たしていないと判断されることもあります。それを決定する際、審査官が犯罪歴の他に、申請者の家族の絆や背景、学歴、職歴、コミュニティー活動への参加等の要素も考慮し、申請者を一般市民の基準に測定します。特に軽犯罪がある場合、判断判定は非常に難しくなります。今回は、不法行為により、アメリカ市民権申請への影響について詳しく説明致します。 Q: 交通違反が、何回かあっても帰化申請が許可されますか? A: 一般的に逮捕されていない、もしくはお酒や麻薬に関与していない交通違反は問題になりません。しかし、移民局に課された罰金を支払った証明を要求される可能性がありますので、州地方裁判から交通抽象(traffic abstract)を取り寄せて移民局に提出することをお勧めします。 Q: 強制送還の対象までに達していませんが、去年、軽犯罪で有罪判決を受けました。帰化申請できるまで、あと何年を待たなければなりませんか? A: 軽犯罪で有罪判決を受けた場合、通常、刑事事件日から5年間、帰化申請を控えれば善良な居住者の要件を立証しやすくなります。しかし、今すぐ日本の親族を呼び寄せたいなど5年間、帰化申請を待っていられない永住者もいるでしょう。その場合、前科があったとしても上記のように申請者の長所短所が考慮され、アメリカ市民権が取得できることもあります。その善良な居住者であるかという判断は、移民局の裁量により、ケースバイケースで決定されますので、申請する前に、必ず移民弁護士に相談しましょう。 Q: 申請日から遡った規定された期間内に軽犯罪で有罪判決を受けましたが、帰化申請を希望しています。その場合、どの補足書類を移民局に提出しなければならないのでしょうか? A: 前科がある場合、通常、下記の書類を入手する必要があります。 警察署による警察官調書の謄本 判決を受けた裁判所による有罪判決の謄本(その判決には、犯罪の種類、実際の刑罰などが明記されていなければなりません。) 裁判所から下された刑を執行した証拠 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

誤情報に基づいて、入国拒否された場合の対応について*

誤情報に基づいて、入国拒否された場合の対応について* 先月のコラムでは米国入国時、検査官に怪しまれた場合、その検査がどのように行われるかについて話しました。今回のコラムでは万が一、検査官の誤解によって入国拒否された場合の対応についてご説明したいと思います。   Q: 最近、ESTAを介してハワイに入国しようとした時、検査官の根拠のない思い込みで入国拒否されました。入国時の対応に対しての苦情はどうやって訴えれば良いでしょうか? A: 国土安全保障局(DHS)はTraveler Redress Inquiry Program(TRIP)と呼ばれるオンライン上のクレーム制度を設置しています。TRIPはもともとテロリストや犯罪者と同姓同名である、などの理由により誤ってウォッチリストの人物と識別された旅客を対象とした救済手段ですが、クレームの内容には制限がありません。たとえば、第二次審査で長時間拘束され、納得できない理由で送還された場合にはTRIPにクレームをすることができます。詳しい手続きは、(https://dhs.gov/trip)をご参考下さい。 Q: TRIPを利用してどのようにクレームをすればいいでしょうか? A: TRIPの申請はオンライン・フォームに入力、ウェブサイトを通してパスポートのコピー等の補足書類を送付することもできます。申請をするとリッドレス・ナンバーが付与され、上記のウェブサイトにその番号を記入するとクレームの処理状況を追跡することができます。クレームが関連部署に報告され、彼らの回答に基づき、DHSは適切な対応をとります。処理時間はクレームの内容によって変わりますが、最短でも30業務日を要します。 Q: TRIPのクレームに対する結果が出た後、どうなりますか? A: DHSが過ちを認めれば、記録を訂正しますが、必ず納得できるような結果が出ると限りません。しかし、違う観点から見ると根拠のない告発に基づき、入国拒否された後に、TRIP等を使ってクレームをしなかった場合、その告発を認めているものと見なされるでしょう。しかし、TRIPのクレームに対して望ましい結果が出ず、ESTAが使えなくなった場合でも、B-1/B-2観光ビザ等を申請することができます。B-1/B-2ビザを発行するかどうかはDHSでなく、在日米国大使館の判断ですので、クレームの正当性を裏付ける補足書類を揃えてビザ面接に向かえば、ESTAでいったん拒否されたことがあってもビザを取得した後、無事に入国できる場合があり得ます。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

米国に入国する際の検査について*

米国に入国する際の検査について* 私の所属する法律事務所に、米国入国を拒否されたという相談がいくつかありました。犯罪が疑われる場合は拘束されるのは当たり前ですが、最近、パートナーに会うために、ESTAを使用して日本とハワイを行ったり来たりしている方が入国審査で止められているようです。今回のコラムでは米国入国時の検査の仕組みについて説明したい思います。   Q: ハワイ居住の彼に会うため、なるべく長くハワイに滞在したいのですが、ESTAを使用して入国する場合、1年間に2、3回ほどハワイに来ても大丈夫でしょうか? A: 入国の可否は国土安全保障局の広い裁量で決められるので、弁護士でも判断が難しいところです。ですから、たとえ他の方が頻繁にビザ無し入国できたからと言って、その方と全く同じ回数、間隔でビザ無し入国しようとしても入国拒否される可能性が十分にあります。ESTAを利用して90日間滞在し、いったん日本に帰ってすぐにまた渡米するとイミグレーションで止められる可能性が高くなります。前回米国に長く滞在した場合は、次回渡米することをできるだけを先送りするのが賢明です。   Q: イミグレーションで別室へ連れていかれる場合、実際の検査はどのように行われますか? A: 入国審査における検査は、一般的な検査(プライマリーと呼ばれます)と第二次検査(セコンダリーと呼ばれます)があります。プライマリーでは、通常、訪問目的、滞在日数、泊まる場所だけ質問をされて通過できます。しかし、プライマリーで観光目的とは違う意図をもってアメリカに入国していると疑われると別室へ連れていかれ、長時間拘束される可能性があります。その場合、詳しい持ち物検査も合法とされるので、スマートフォンのメールのやり取りや通話記録等が読まれ、ハワイの知り合いに連絡を取られてしまうこともあります。その結果、観光目的とは違う永住する意図がある等と判断された場合、不許可事由を記載する行政記録が作成され、入国が拒否されます。このような検査は一度怪しまれると取り返しがつきませんので、問題になりそうな携帯品を、日本から持参しないようにする必要があります。   Q:日本人の彼女がホノルル国際空港に到着しましたが、長時間拘束されているそうです。この場合、弁護士を依頼すれば何かできることがありますか? A: 残念ながら、法律上で入国審査において拘束されている方には入国審査が終わるまで代理権を所有していないとされているので、弁護士に依頼しても税関検査官が相手にしません。そのうえ入国拒否されたら、ホノルル国際空港を利用した場合、午後は日本への便が飛んでいないため、犯罪歴がなくても、翌朝までホノルル連邦拘置所に勾留されてしまうこともありますので注意が必要です。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。

永住者が長期アメリカを離れる場合、帰国居住者ビザについて*

永住者が長期アメリカを離れる場合、帰国居住者ビザについて* 移民弁護士をしていると、永住者が長期にわたって日本に帰った後、またアメリカに戻り、住むことを希望する永住者に時折会います。しかし、概して永住者がアメリカを連続一年以上離れた場合、永住を放棄したと見なされ、グリーンカードでの入国ができなくなります。その場合、適格と認められれば帰国居住者ビザ(SB-1)を取得することによって、永住権を再度取得することができるかも知れません。 Q: 私は永住権を持っていますが、アメリカ人の夫と一緒にしばらく日本に帰らざるを得ませんでした。再入国許可書を申請せず米国を出てから一年以上が経ちました。また米国で生活するにはどうすればよいでしょうか? A: 適当な事前策を講じなければ、次回米国に入国しようとする時、強制送還手続きが開始され、移民法裁判官に永住の意思を放棄したかどうかを判断される、または入国拒否され、直ちに日本行きのフライトに乗せられる可能性があります。もしまだアメリカ人の夫と結婚している場合、以前と同じ種類の移民ビザを申請し直すことができますが、出発日より十分余裕をもってその申請手続きを始めなければなりません。その時、もし帰国居住者ビザ(SB-1)を申請し、その資格が認められると、移民局へ新規の移民ビザ申請を提出する必要がなくなり、移民ビザの待ち時間がかなり短くなります。書類が揃ってから帰国居住者の資格が許可されるまで、約1~2ヶ月かかるでしょう。 Q: 帰国居住者ビザの申請条件は何でしょうか。 A: SB-1申請者は以下の条件を満たさなければなりません。 米国から出国する時点で米国永住者の資格を持っていた 米国に戻る意思を持って出国したこと、そしてその意思を放棄していないこと 米国外への短期滞在後は米国に戻ること、滞在期間が長引いた場合、それは本人の責任ではなく不可抗力な理由によるものであったこと。 Q: SB-1ビザの申請方法を詳しく教えてください。 A: 帰国居住者ビザを申請するには通常2回の面接が必要です。先ず、SB-1の資格を判断するため、大使館・領事館に連絡を取り、面接の予約をする必要があります。 SB-1の面接を受ける際、下記の必要書類を持参します。 帰国居住者の資格申請Form DS-117 申請料金 パスポートの原本、グリーンカードの原本、あれば再入国許可書の原本 米国外での滞在が申請者の真に不可抗力な理由によるものであったことの証明 米国外滞在理由の証明 米国とのつながりおよび帰国の意思 帰国居住者資格が許可になった場合、許可になった日から6カ月以内に移民ビザを申請し、2回目の面接を受けなければなりません。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。 ダウンロードはこちらから

不法移民救済の大統領令を地裁が一時差し止めしたことによる影響*

不法移民救済の大統領令を地裁が一時差し止めしたことによる影響* 現在約1100万人の不法移民がアメリカ国内にいるとされています。この問題に対応するため、議会では何十年も、不法移民が市民権の獲得につながる法案が検討されていましたが、今でもそのような包括的移民改革法案は通過されていません。 大統領権限を行使し,2012年にオバマ大統領がDACAと呼ぶ子供の時に親に連れられて米国に不法入国し滞在を続けた若者に対する一定期間の強制送還の停止と、合法的に働けるプログラムを施行しました。2014年11月にオバマ大統領は年齢の上限の撤廃等によってDACAプログラムを拡充し、米国市民権や永住権保持者である子どもを持つ不法移民を対象するDAPAと呼ぶ新規プログラムの実施を発表しました。DAPAが施行されば、約400万人の不法移民が強制送還の延期と労働許可を申請することを可能にします。そして、2015年2月16日にこの大統領令の効力を一時差し止める命令をテキサス州の連邦地裁判事が下し、オバマ政権がその命令を受け、拡大されたDACAとDAPA申請の受け付け開始を延期しました。 Q: 厳密に言うと地裁がどんな判断をしましたか。 A: 連邦地裁はDACAやDAPAが合憲かどうかを判断せず、訴訟中は実施を差し止めるとしました。行政手続法に従って、連邦が新DACAとDAPAを実現するために、公衆に通知し、議論する機会を与えるべきであったのに、連邦がその必要な行政手続きを経ていなかったという決定です。 Q: 大統領権限を行使し、不法移民を強制送還の対象から外すことは違憲といった批判がありますが、どう思いますか。 A: 専門家の間では貴重な執行予算を生かすために、深刻な犯罪者や脅威と見なされる人物の強制送還に順位付けが行えるこが十分に大統領の権限の範囲内だと広く一致しています。連邦政府は何十年もジョン・レノン等の特定の移民に対し、強制送還を免除しています。同様に、規制の下で強制送還の対象から外した不法移民に労働許可を与えることが移民局の権限の範囲内だと大方の専門家が認めています。そういう意味ではDACAとDAPAはこの長年抱き続けた政策を正式に認めたことにすぎません。 Q: 私がここ数年、アメリカにオーバーステイをしてしました。今、私が何をすべきでしょうか。 A: 最終的に連邦が法廷で勝利し、新DACAとDAPAを実行するとの見方が多いです。DACAもしくはDAPAの申請条件を満たせば、地裁の差し止めが取り下げられることに向けて、申請に必要な書類の収集を着手し、審査に引っかからないよう、移民法が専門の弁護士に依頼するのがよいでしょう。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。 ダウンロードはこちらから

移民局にビザを申請した後、知って得するインターネット上のサービス*

移民局にビザを申請した後、知って得するインターネット上のサービス* 近年、移民局(USCIS)は顧客の便宜を図るため、様々なインターネット上の新規サービスを提供しようとしています。今回、ビザ等を申請した後、USCISのウェブサイトで提供されている便利なサービスをいくつかご紹介致します。 インターネット上で住所変更手続き(AR-11) 移民および帰化手続きが完了するまでには受理書、指紋採取の通知、面接の通知等の移民局で発行される様々な通知を受け取らなければなりません。そのため、申請中に引越しする場合、移民局による通知がきちんと届くように、新しい住所を移民局に知らせなければなりません。なお、許可を得た後でも永住権保持者を含め、米国内にいる外国人が引っ越しするたびに、10日以内に移民局に知らせる義務があります。この変更手続きはhttps://egov.uscis.gov/coa/にて変更届(AR-11)をインターネット上で提出することにより行うことが出来ます。 移民局職員と直接話ができる予約制のシステム(InfoPass) 申請につき質問、問題点等がある場合は、https://infopass.uscis.gov/にてInfoPassの予約を取り、最寄の移民局のオフィスで職員と直接話すことが可能です。残念ながら、過去の経験からすると顧客の申請書の進行状況を問い合わせする目的でInfoPassの予約を取った時、窓口の職員にあまり役に立つ情報を得ませんでした。しかし例えば、新しいグリーンカードが手元に届くのに過度の時間がかかった場合、InfoPassを使い、グリーンカードの代わりとなる仮スタンプ(I-551 Stamp)を顧客のパスポートに押してもらったことがしばしばあります。 申請の進行状況等を問い合わせできるe-Request 移民局には顧客が移民局に助けを求める時、その問い合わせを追跡できる電子装置があります。従来、顧客が移民局のホットラインに電話をかけ、サービスを要求した時、移民局が特定期間以内にその問い合わせに応じるよう努めています。e-Requestとは職員が電話に出る待ち時間を迂回し、USCISのウェブサイトで移民局にサービスを依頼した記録を自分で作成できるツールです。以下のような状況でhttps://egov.uscis.gov/e-request/にて申請すれば質問を提出することができます。 • USCISのウェブサイトに載せている処理日数より申請が伸びている場合 • 指紋採取の通知、面接の通知等の移民局で発行される通知が届かなかった場合 • 移民局で発行される通知/書類、労働許可書、グリーンカード等にタイプミスがある場合 • 手話通訳者の予約、家庭でのインタビュー等の特別待遇を求める場合 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。 ダウンロードはこちらから

DV抽選グリーンカードの当選は第一歩*

DV抽選グリーンカードの当選は第一歩* 移民多様化ビザ抽選プログラム(略:DVプログラム)は歴史的に米国への移民率の低い国の人を対象に、「DV移民」として知られる移民ビザのカテゴリーを設け、無作為に当選者を選出します。毎年、50,000件の移民ビザを発給しています。DVプログラム応募は、毎年の10月の上旬頃から開始、約一か月の間にオンラインで応募する必要があります。申請料はかかりませんが、1人につき1通の応募に限られています。国務省は毎年、割り当てられた50,000件のビザの2倍以上の応募者を当選させます。実際は当選者の半分位しかグリーンカードを取得しないからです。つまり、当選は、グリーンカードを自動的に発給されるものではなく、DVビザもしくは永住者への資格変更を申請するという資格を得たことに過ぎません。 Q: 当選した場合、その次の手続きは? A: 応募した後の翌年の5月1日からwww.dvlottery.state.govで自分が当選したかを確認することができます。当選者は規定番号がつけられ、その番号順に処理されます。国務省ウェブサイトに掲載されている毎月のVisa Bulletin広報でビザの発給を受ける準備ができているかどうかを確認できます。50,000件全てのDVビザが発給された時点で、その年のDVプログラムは終了します。なお、当選者は配偶者または21歳未満の子供の分も含め、全てのDVビザもしくは永住者への資格変更の手続きを9月30日までに終了しなければなりません。そのため、もし自分の規定番号が高い場合、健康診断、警察証明等の必要書類を迅速に収集し、提出しなくてはならない場合があります。 Q: 当選した場合、いつ頃永住できますか? A: 応募期間とDVビザを申請するタイミングは少し紛らわしいです。DVビザは連邦会計年度の開始(毎年10月1日)に伴って発給されます。例えば、2015年度は2014年10月1日から始めます。2014年10月中に応募した方は実際には2016年度のDVプログラムに応募していることになります。 Q: 弁護士を依頼するメリットは? A: ビザは発給資格のある最初の50,000人に限り、発給されます。しかも、DVプログラムの応募資格だけでなく、米国大使館・領事館でDVビザの申請もしくは永住者への資格変更する手続きの要件も満たさなければなりませんので、適切な必要書類を収集し、迅速に申請することが非常に重要です。当選した後、経験のある移民弁護士が当選者の経歴・移民歴上の問題になる可能性のある事柄を把握し、限られた時間内に申請必要書類を入手するのを手伝いすることができます。 * ハワイの日本語新聞”日刊サン“に掲載されたコラム記事です。